投稿日2015年2月1日
住民の主体的参画による実行性ある環境基本計画の策定
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概要
目的
- 環境基本計画を画に描いた餅にせず実効性あるものにする。
- 徹底した住民参画による計画策定。
- 計画の実行主体をパートナーシップ組織にする。
- 地域の課題とビジョンを、行政と住民によるパートナシップ組織の共通認識とする。
実施概要
- 環境計画の策定は公募により策定メンバーを広く募集し多様な参画を実現する。
- 他部署の行政職員も横断的に策定メンバーとして計画策定時に加わる。
- 策定メンバー間では環境問題の基本的学習を行いながら、フィールドワークも含めて地域の問題や解決すべき事柄を共有する。
- ビジョン達成のために必要な施策は、議論を重ねながら地域の特徴を活かした内容に作り上げる。
- 実行計画も含めた具体的施策を策定メンバー自らでつくることで策定後の実施段階に主体的に参画する住民を育み、実行段階でのパートナーシップ組織の基礎をつくる。
- これらの住民参画のコーディネートには環境分野・住民参画についての専門性あるNPO/NGOの参加により住民と行政職員のエンパワーメントが可能となる。
期待効果
その他、特徴的な効果
- 住民の環境政策への参画により、他の行政施策への住民参画が深まる
- 住民自治の推進
- 行政職員、住民のエンパワーメント
実施内容とポイント
全体を通じたポイント・考え方
- 計画の完成が目的ではなく、住民の主体的参画により計画を実行していくことが重要。
- 計画策定時から実施時を見据えたパートナーシップ型推進組織の設置を考える。
- 計画を画に描いた餅にせず、実効性ある計画にするための徹底して住民と行政の対話を図り、共通認識を醸成する。
ステップ1コーディネート団体の選定
実施内容 |
環境分野・住民参画に専門性あるNPO/NGOなどをコーディネート団体として選択する。
計画策定のスケジュール等について、事前に十分に協議しておく。 |
ポイント・考え方 |
委託事業でも丸投げにしてはいけない。
行政と住民が共通認識を持ち、協働で計画を策定することが、実施段階で重要になる。
パートナーシップの精神を大切に、お互いの責任と仕事を確認しておく。 |
ステップ2策定メンバーの確定
ステップ2-1 策定メンバーの公募
実施内容 |
環境基本計画策定のためのメンバーを公募により集める。 |
ポイント・考え方 |
- よくある既存の地域組織の有職者への依頼ではなく、これまで行政施策への関わりがなかった層へも働きかけるため公募とする。
- 環境の取り組みをしている層への働きかけだけでなく、地域づくりや子育て支援などをしている団体や人にも積極的に声をかける。
- 参画して欲しいキーパーソンがいる場合は、働きかける。
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ステップ2-2 行政職員の策定メンバーの確定
実施内容 |
計画を庁内横断的にすすめていくためにも各セクションから行政職員の策定メンバーを確定する。 |
ポイント・考え方 |
- 庁内横断組織を意識した各部署への働きかけをしておく。
- 実施段階で住民と協働するのは環境担当の部署だけではない。
- 計画策定段階から住民と各部署が共通認識を醸成することが実効性のある計画の策定につながる。
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ステップ3計画内容の議論
ステップ3-1 環境問題の基本的知識の学習と地域課題の共通認識の醸成
実施内容 |
公募の住民、行政職員がともに環境問題の基本的知識を身につけるとともに地域の問題点について策定メンバーが自ら調査したり情報を得たりする機会をつくる。 |
ポイント・考え方 |
- 同じ情報を持った上での住民と行政職員が一緒に議論することは大切。
- 策定メンバーが共通認識のもと議論ができるよう基本的知識を得るための機会をつくる。
- 地域の問題点についての情報提供や策定メンバー自らが調査する機会をつくることも重要。
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ステップ3-2 ビジョン共有、地域課題解決の方針についての議論
実施内容 |
- 地域の目指す姿をビジョンとして共有する。
- 地域課題解決の方針を決める議論を丁寧に行う。
- 必要であれば行政の情報提供、住民活動の情報提供も行い議論を尽くす。
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ポイント・考え方 |
- 最初は違った立場や違った意見の人が集うため前向きな議論をするのが難しい場合もあるが、住民と行政職員のエンパワーメントにつながることなので、きちんと議論を尽くせるように場を整える。
- 建設的な議論を住民と行政職員が一緒になって行うことがポイント。
- うまく議論ができるようにコーディネーターが進行や手法を担う。
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ステップ3-3 プロジェクトをつくる
実施内容 |
- 議論をしながら、必要なプロジェクトを具体化していく。
- 庁内の関係部署を明らかにし、パートナーシップで進めるためにかかわってもらうべき組織なども明確にしておく。
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ポイント・考え方 |
- プロジェクトは、庁内横断的に考える。
- 住民には、どの話にどの部署が関わるのかがわかりにくいので注意が必要。
- 環境担当課だけでなく庁内のどの部署と一緒に進めるべきか、あるいは策定メンバーだけでなく、どのような組織や人に加わってもらうのかも合わせて考える。
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ステップ4より多くの意見の募集
実施内容 |
- 中間時点で、さらに多くの意見を得るための機会を設定する。
- 書面による意見募集だけでなく、直接意見交換ができる場を設け策定メンバー自らが住民に対して説明を行う。
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ポイント・考え方 |
- パブコメだけでなく、直接説明できる機会をつくることは策定メンバーの力を高めることにもつながる。
- 策定後の実施についてより具体的に考えることができるようになり、責任感も生まれる。
- 意見交換会は住民と行政の協働による開催にして首長にも参加してもらう。
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ステップ5計画書の作成
実施内容 |
できるだけ策定メンバーで記述する。
パートナシップ型の推進組織の設置のためや、計画実施のために、条例改正が必要な場合もある。必要に応じて議論する。 |
ポイント・考え方 |
- 自分たちで記述することで「自分たちの計画」という意識が強くなる。
- より多くの住民の意見を反映しながらブラッシュアップして完成させていく。
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ステップ6環境基本計画の完成とお披露目、推進組織の発足
実施内容 |
- 環境基本計画の完成後には庁内や広く住民に知らせる機会を設定する。
- 庁内の推進体制、計画のパートナーシップ型推進組織の立ち上げに向け準備を始める。
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ポイント・考え方 |
計画実行のためのパートナーシップ型推進組織の立ち上げまで重要視していない自治体も見受けられるので注意が必要。パートナシップ型推進組織では、下記が重要なポイントとなる。
- 庁内の協働体制を整えること
- 策定からスムーズに推進組織を立ち上げること
- 実施のための推進組織の予算を獲得すること
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実施主体・協働・推奨される自治体
実施主体
行政、事業者、住民、NPO、住民・行政の協働組織
住民・行政参加度
協働によりどのような相乗効果を期待できるか
・ 住民と行政職員のエンパワーメント
・ 住民の政策へのコミットメント
・ 行政だけでは実現できない施策の実現
参考事例
関連モジュール
前提モジュール
発展モジュール
相乗効果モジュール