投稿日2016年2月1日 台所と農業をつなぐ地域内循環事業

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概要

目的

  • 農業を基礎と家庭生活とつながる「循環型社会」の構築
  • 住民の自治意識の向上と協働の推進
  • 有機農業の推進と域内自給率の向上、安心な食の確保

実施概要

  • 生ごみを地域で回収し、農業廃棄物(籾殻、畜ふん等)と合わせて、堆肥センターで堆肥化。
  • 堆肥はJAで域内の農家と家庭に販売。
  • それを用いて農家が生産した有機農産物、特別栽培農産物を独自に認証。学校給食、市民市場(道の駅)、小売店で販売する他、飲食店の素材としても提供。
  • 域内で消費できない場合のみ、域外に出荷する。
  • このような仕組みを住民が主体的に構築し自治体と協働して運営する

期待効果

その他、特徴的な効果

  • 住民の自治意識の向上と協働のまちづくりの具体化
  • 地域における有機農業の推進(耕作土の回復)と域内自給率の向上
  • 生ごみの減量
  • 環境保全型農業に対する農家以外からの関心の向上

実施内容とポイント

パーツ1推進組織の設置と運営

実施内容
  • 事業運営の主体として住民、ステークホルター団体(農協、商工会、消費者団体、換気用団体等)の代表者で構成する推進組織を設置。
  • 推進組織において本事業に関わる全てのことを協議し決定する
  • 住民、農家、事業者、行政の役割を有機的に構成し責任を分担する
ポイント・考え方
  • 事業のスタート前の企画立案も行政主体ではなく、住民主体ないし住民と行政の対等な協働で行う
  • 協議内容の情報開示が重要。住民と行政の対等な協働関係によるまちづくり事業であることを大切にする。

パーツ2生ごみの収集

実施内容
  • 市街地を中心に生ごみを定期的(週2回程度)に分別収集
  • 家庭で生ごみのみを分別し、水分と夾雑物を除去する
  • 収集域に域内随所に収集所を設置し、そこに家庭から水切りした生ごみを排出し、少し大型のバケツ(蓋つき)で収集し、堆肥化センターに運搬
ポイント・考え方
  • ゴミ出し時間は早朝から朝8時を目途に。収集域は自治体全的もあり得る。ただ、農村域は生ごみを自家処理している場合が多く、収集経路も長くなるので、必要性を考慮する
  • 笊の付いたバケツを用いる。
  • 各家庭の理解と手法の徹底のために、行政と推進会議で、きめ細かく説明会を開催する。事業への住民の理解と手法の分かりやすさが決めて
  • 収集、運搬は、行政の清掃・収集事業として位置付ける(直営または事業者委託)。もしくはNPO法人への委託も可。
  • 収集所は、家庭ごみの収集所等を活用。20~30世帯で一か所程度

パーツ3堆肥化と堆肥の販売

実施内容
  • 堆肥化センターでは生ごみに、農業廃棄物と混ぜて堆肥化する
  • 堆肥化センターの設置は行政で、運営は直営ないし事業委託
  • 堆肥の販売は地域JA等が担当する。農家の大口使用には搬送も。
ポイント・考え方
  • 農業廃棄物は地域の農業の実態に合わせて適切なものを選ぶ。一般的にはもみ殻、畜ふんを合わせて用いることが多い
  • 建設費は、国及び都道府県の補助事業、一定割合獲得できる可能性あり。
  • 運営費用は、堆肥の販売収益で賄うのは難しいが、本事業を実施しない場合に必要となる清掃事業費との相殺、そして農業の推進、循環型社会形成、州民協働のまちづくり事業としての価値を評価する必要がある。
  • 農家用にトン単位での販売と、家庭用のKg単位の販売で価格に違いを付ける

パーツ4堆肥を用いた農産物の生産

実施内容 農家が堆肥を用いた土づくりを行い、有機農産物、特別栽培農産物など、環境と安全、美味しさの付加価値の高いものを生産する
ポイント・考え方
  • 農家向けに有機農業等の栽培研究事業を推進組織、行政、JA等で協働実施する
  • 農産物に対して認証する。国の有機農産物等の認証をとることも考えられる。ただ、その取得費用を考慮し、また地元ブランド化するためには、推進組織による、独自認証制度を国の制度に準拠して行った方がよい

パーツ5堆肥を用いた農産物の生産

実施内容
  • 学校給食で使用する
  • 域内の食品店、八百屋、スーパー等で認証ラベル商品して販売する
  • 推進会議やNPO等の協働による、認証ラベル農産物の専売店を設置し販売する
  • 移動販売車による販売
  • レストラン、食堂等で料理の素材としての利用
  • 加工製品化して販売(6次産業化)
  • ポイント・考え方
    • 児童生徒への環境学習、農業学習、地域づくり活動学習等に役立てる。農家や推進会議から出前授業を行う。
    • 消費者への価値(安全、環境、地域)訴求が重要。販路を推進会議、JA、商工会、行政等で拡大する。
    • 生産者と消費者の交流事業の実施、地域おこし事業との連携なども。
    • 買い物弱者支援を兼ねて。上記と同じ運営主体が考えられる。
    • 地域内にあるレストラン、食堂等で利用。基準を設けて、地域ブランド化する。
    • 推進会議と店舗が共同で、認定農産物を用いた加工食品、嗜好品、お菓子等を開発し販売する。

    実施主体・協働・推奨される自治体

    実施主体

    行政、住民、NPO、住民・行政の協働組織

    住民・行政参加度

    マンパワー
    住民・事業者3:行政主体3
    資金
    住民・事業者3:行政主体3
    総合
    住民・事業者3:行政主体3

    協働によりどのような相乗効果を期待できるか

    地産地消にとどまらないまちづくりに。
    環境学習、地域学習の推進

    推奨自治体の自然・社会的要件等

    農業地域と市街地(住宅地域)がバランスのとれている自治体が推奨される。市街地(住宅地域)が少ない場合は、域外への農産物の販売を事業に組み込む必要がある。

    参考事例

    自治体名長井市
    事例名レインボープラン
    参考URL1http://samidare.jp/rainbow/ 
    参考URL2http://bp.eco-capital.net/bps/read/id/184
    キャッチフレーズ地域循環・ともに・土はみなもと

    関連モジュール