政策・活動パッケージとは

投稿日 2014年3月26日

前提、必要性

日本は、そして世界は文明の大きな転換点にたっています。

地球温暖化、生物多様性をはじめとした地球規模の環境問題、
リーマンショックに端的に表れた世界的な経済システムの行き詰まり、国内外における格差の拡大等、
持続可能な社会の基盤となる環境、経済、社会の三要素とも大きな危機に直面しています。

 

また、日本の地域社会においては、産業基盤や雇用の流動化、少子高齢化、地域コミュニティの弱体化、地方財政の脆弱化等も重なり、地域社会の将来に暗雲が垂れこめています。

 

さらに、福島第一原子力発電所の重大事故は、エネルギー問題だけでなく私たちの文明の「豊かさ」に対する根源的な疑問を、日本のみならず全世界へ投げかけました。

 

このような危機を脱し持続可能な社会を築くためには、小手先の改革ではなく、パラダイムシフトをともなう根源的な社会変革が必要です。

 

持続可能という概念は、1992年のリオデジャネイロでの国連の環境と開発に関する会議で世界的な認識となりました。

その会議での包括的で最も重要な合意文書であるアジェンダ21の第28章に

「アジェンダ21で提起されている諸問題及び解決策の多くが地域的な活動に根ざしているものであることから、地方公共団体の参加及び協力が目的達成のために決定的な要素になる」

と記されています。

 

このように、持続可能で豊かな社会を実現する基盤は、地域にあることは明確です。

今こそ地域がなすべきことを、地域から始めるときです。

(以上「環境首都創造ネットワーク」設立呼びかけ文から抜粋)

概要

このエネルギー政策活動パッケージは、このような想いを共有し、気候変動防止の地球規模の環境問題の解決と、持続可能な社会を地域から実現することを目指した、エネルギー分野における自治体政策と住民活動の具体化事例(ひとつひとつの事例を「モジュール」と呼びます)を集めたものです。

 

ただし、エネルギー政策活動パッケージは施策や活動の参考事例集にとどまるものではありません。

地域に特性に応じて、エネルギー政策活動パッケージのモジュールを選択し、大きな成果を上げられるように、総合的かつ構造的に施策や活動を組み立て、実践に移すためのガイドとして活用することが本来の用い方です。

 

つまり本政策活動パッケージは、自治体の実情に応じて、地域主体の再生可能エネルギーの拡大と低エネルギー社会実現のための実践計画策定及び実践のサポートツールとして活用できるものです。

特徴

  1. 地域のあるべき将来像を実現するために、政策と活動をバックキャスト方式で構造的、段階的に構成できるように多様なモジュールを提供しています。
  2. 環境にとどまらず、地域経済の振興と雇用の創出、コミュニティづくり、人づくり、住民と自治体職員の力の増進、地域福祉の増進、国内外地域間交流等、「環境」「経済」「社会」の持続可能性の三要素を取り入れています。
  3. 行財政改革、条例・計画・社会的枠組みづくり、経済的・社会的インセンティブの構築、実践、実践のサポート、評価・見直し等、様々な段階の政策・活動を簡潔かつ具体的にモジュールとして提案しています。
  4. 地域の特性、実情に合わせて、モジュールを戦略的・段階的に組み合わせることが可能です。それゆえ、このエネルギー政策活動パッケージは、自治体および、NPO・住民団体や社会的企業もしくはそれらが協働で実施することができるものです。
  5. 地域からの効果的な実践を、より取り組みやすくするために必要な国レベルの政策提言も併せて記載しています。
  6. モジュールと国レベルへの政策提言は、必要に応じて、また社会の変化に応じて、追加、修正、削除を行い、常に実践に役立つものとしていきます。