投稿日2016年2月1日 住民・事業者・行政の協働でつくる交通計画

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概要

目的

長続きする公共交通の実現

実施概要

  • 主に、公共交通不便地域において、基幹バス、コミュニティバス、コミュニティタクシー(デマンドバス)などを組み合わせて「串とお団子型」の交通体型を構築し、持続可能な公共交通を実現するための計画を策定する。
  • 策定プロセスには利害関係を有する地域住民や事業者を巻き込み、行政もいっしょに学びながら計画を策定することで、担い手を広げることができる。

期待効果

実施内容とポイント

ステップ1交通まちづくり委員会の設置

実施内容 交通まちづくり委員会(仮称)を立ち上げる。以降の活動はこの委員会が主体となって進める。

ステップ2パンフレットの配布

実施内容 コミュニティバスや路線バスの赤字の実態をパンフレットに書き込んで全世帯へ配布し、問題提起を行う。

ステップ3住民検討会の実施

実施内容 地域を適切な規模のブロックに分け、住民検討会を開催し、公共交通の現状や課題とともに、交通まちづくりの方向や公共交通の整備方向について説明を行う。
ポイント・考え方 交通不便地域の住民からは不満、苦情が出る可能性があるのが、従前の要望・苦情への回答というスタイルに終わらせず、未来志向の内容にする。

ステップ4ステークホルダーとの話し合い

ステップ4-1 勉強会の実施

実施内容 移動手段の確保策について考えたい地域と月1回ペースで勉強会を開催する。
ポイント・考え方
  • メンバーには、行政、住民だけでなく、客観的で専門性の高いアドバイザー、コーディネーターを同席させること。
  • 開催日は地域住民が集まりやすい日時を設定すること。
  • 案を提示する際は、出来る限り2つ以上の案を提示すること。2つ以上の案を提示することで、行政からの押し付けではなく、地域にとってよい案について議論が活発化する。
  • 複数の地域で開催する場合、年間80〜90回にものぼる可能性がある。最初は行政に対する苦情、不満が溢れ、紛糾することがあるかもしれないが、「行政だけでなく、みんなで支えないと長続きしない」という方向性を理解していただくと、空気が変わってくる。

ステップ4-2 交通事業者との意見交換会

実施内容 地域の既存の交通事業者との意見交換会を月1回ペースで開催する。
ポイント・考え方 公共交通の確保へ民間事業者の協力が不可欠である。例えば、コミュニティバスの運行では、事業者の収益が減る可能性がある。新たな地域づくりの担い手であることを共有し、将来に向かって協働を可能にするためには話し合いが必要になる。

ステップ4-3 アンケートの実施

実施内容 市民・事業者アンケートを実施し、意見を出来る限り広く集める。
ポイント・考え方 公共交通の確保へ民間事業者の協力が不可欠である。例えば、コミュニティバスの運行では、事業者の収益が減る可能性がある。新たな地域づくりの担い手であることを共有し、将来に向かって協働を可能にするためには話し合いが必要になる。

ステップ5交通計画の策定

実施内容 勉強会、検討会、アンケートなどで出された意見を元に、課題を抽出し、交通まちづくり委員会で議論を重ね、交通計画を策定する。
ポイント・考え方
  • 計画では、基本理念として交通事業者や行政だけでなく市民を巻き込み、みんなが協働して創り育てるというか考え方を示す。
  • 計画は、策定しただけでは絵に描いた餅になりがちである。ボトムアップアプローチを採用し、計画の戦略的な実施段階を具体的に想定し、さかのぼって計画を策定するとよい。
  • 計画には「重要かつ緊急」などの軸で解決策を抽出し、リーディングプロジェクト(先導施策)として設定する。
  • 先導施策は、すべて行政が抱えるのではなく、実行は地域組織に任せる体制とする。行政は運行に関する補助金支出、法的手続きなど、行政しかできないことを支援する。
  • 実施体制として、自治体職員は各地域の交通政策担当を分担して担うことを明記すること。特定のスタッフが地域担当を継続して担うことで信頼を深めることができる。
  • いきなり本番の事業を実施するのではなく、実証運行など事業の効果を把握するための期間を設けること(例えば1年間)。
  • 実証運行は、道路運送法第21条による国土交通大臣による一時的な運行許可を得て実施する方法がある。
  • 実証運行の結果を受け、地域組織と十分な意見交換を行い、本格運行基準を設定する。
  • 対象地域が自治体域を超える場合は、他の市町村とも連携して一体感のある交通体系ができるように配慮する。

ステップ5公共交通利用の動機付け

実施内容 計画記載の事業と組み合わせ、下記のような公共交通を利用する動機付けとなる事業を実施する。

  • 仕込みとして全戸配布するチラシにバス事業者の協力によりバス半額券2枚とともに、値域ぐるみのイベントにするため協賛飲食店の10%割引クーポンを刷り込む。
  • 「公共交通週間」などとして、各交通機関が出展するフェスタやTFP、パーク&ライド、サイクル&ライド、バスの乗り方教室などを1週間実施する。

実施主体・協働・推奨される自治体

実施主体

行政、事業者、住民、住民・行政の協働組織

住民・行政参加度

マンパワー
住民・事業者4:行政主体2
資金
住民・事業者3:行政主体3
総合
住民・事業者3:行政主体3

協働によりどのような相乗効果を期待できるか

  • 利用者の視点で、期待する効果を出せる計画を策定できる。
  • 実施の担い手を確保し、自分事として公共交通を応援する主体を育てることができる。

推奨自治体の自然・社会的要件等

公共交通不便地域を有する自治体

参考事例

自治体名山口県山口市
事例名山口市市民交通計画
参考URLhttp://www.city.yamaguchi.lg.jp/cms-sypher/www/info/detail.jsp?id=2242

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